2025.12/01日号|インサイトにこだわらない問いかけ方を身につけよう
●②対象者と質問法の組合せ方の妙によって潜在意識に近い回答を得る
●③インサイトにこだわらない問いかけ方:課題・動機を探るケース
●④インサイトにこだわらない問いかけ方:興味・関心を探るケース
●⑤AIの活用にあたり、初手で「インサイトを出してください」は再考する
●⑥優れたプロダクトマネージャーの資質に見る、自分で気づく体験の価値
リサーチのメンター活動をしていて、最も多くもらう質問の中に「当事者も気づいていないインサイトをどうしたら掘り下げられるか」というものがあります。プロダクトマネージャーやブランドマネージャーには「業務課題」としてよく認識されています。
この相談への返答として私が最も推奨しているのは課題自体の見直しです。すなわち、「インサイト」にこだわりすぎないことです。「インサイト」への信奉が強すぎると調査や業務の品質要求が上がりすぎて先のような統括職種の方々には向いていないのです。
もともとインサイトの理解には組織自体に相応のケイパビリティが必要です。具体的にはドメイン知識(商品知識・販売知識)とリサーチ技能(定性調査・定量調査)の両方が高いレベルで必要です(世の中の成功事例はR&D投資が盛んな企業中心なわけです)
実際に、これはメンター活動ではなくセミナー講演へのフィードバックとして、「○○調査が探索用途に適しているのは理解したがそこまで調査の段取りを細かくはできない(もっと手軽にインサイトがわかる方法はありませんか)」という声もいただきます。
この要請は違う形で自分自身も感じることはあり、特に定性調査の分析場面で「価値マップ」や「上位下位関係性分析」など、インサイトにたどり着く分析手法としては優れているけれど作成には手間暇がかかるものは推奨するのをためらう時があります。
そこで今回のレターでは、皆さんが行う普段のユーザーアンケートの中で使える「質問法」の工夫を紹介します。インサイトに迫るうえで分析手法を磨くハードルは上記の通りですが、問いかけ方の妙で取れ高を確保できるごく軽量な方法論を紹介します。
🔍リサーチハック 101(2025.12/01日号)「インサイトにこだわらない問いかけ方を身につけよう」
●①よくあるインサイトを掘り下げるための問いかけ方:Whatの質問・Whyの質問
●②対象者と質問法の組合せ方の妙によって潜在意識に近い回答を得る
●③インサイトにこだわらない問いかけ方:課題・動機を探るケース
●④インサイトにこだわらない問いかけ方:興味・関心を探るケース
●⑤AIの活用にあたり、初手で「インサイトを出してください」は再考する
●⑥優れたプロダクトマネージャーの資質に見る、自分で気づく体験の価値
●新刊「仮説ドリブン・マーケティング」出版記念イベントのお知らせ
アイブリッジ株式会社が主催する「Freeasyリサーチアカデミー」で、「ブランドマネージャーのための、アンケートを使った仮説探索調査入門」と題して、仮説探索調査の設計・分析のコツを一挙にお話します(商品企画や事業開発の方も歓迎の内容です)。
リサーチ担当者にとって文字通り仮説思考が最も要求される業務である仮説探索シーンにおいて、書籍でも実践編の中核を成している企画・設計・分析のモデルを解説します。いずれもセルフアンケートで実施可能で、その中で工夫するポイントをお伝えします。
参加者特典(当日のアンケート回答者)として、仮説探索調査で使える分析成果物のテンプレート4点セット(1.ブランドマップ/ショップマップ、2.メディアマップ、3.仮説マップ、4.マーケティング・ミックス/4P)を用意していますので、こちらもお楽しみに。
▼仮説ドリブン・マーケティング×Freeasy|ブランドマネージャーのための、アンケートを使った仮説探索調査入門
https://freeasy24.research-plus.net/clb_20251211