2026.01/01日号|グループインタビューの速記者に学ぶ、AI時代も有効な発言録メモの作成スキル

●①事実情報を端的にメモして文の認知負荷を下げる
●②名称や対象物を何と呼んでいるか正確に記録する
●③インタビュイーの思考回路を辿るように記録する
●④発話の順序関係を改行の位置でコントロールする
菅原大介 2025.12.09
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GoogleMeet+Geminiの連携に代表されるように、インタビューの業務シーンにおけるAIツールの導入が進み、全文文字起こしと本文要約機能の実装によって発言録(議事録)のデータ化と分析作業はこの1年で飛躍的に便利になりました。

一方で、データは完全体で手に入るようになったものの、内容理解が同じレベルで進んでいるかといえばそうではない印象もあります。当然ながら発言録に書かれてある情報の意味理解は実査の場(インタビュー中)よりも落ちてしまいます。

そんなことを思案していた折、「グループインタビューの発言録の作り」のことを思い出しました。体感的に5年くらい前までは、インタビューの発言録をデータとして作成する(保管する)必要があるのはグループインタビューの時でした。

グループインタビューについては実施経験のある方とそうでない方に二分される調査手法なので業務イメージも補足すると、参加者4名ほどから成る1グループを2時間かけて実査を行うと、発言録は表形式のデータで15枚程の分量になります。

当然この作成を依頼主(プロジェクトのディレクター本人)が人力で対応するのはかなり難しいので、たいていの案件では進行役を務めるモデレーターとは別に、セットで「速記者」(その場に同席して議事録を取る人)を発注していました。

AIが主流となった現在は、速記者はもういらない、そのような人がいたのか、という印象を持つ読者もいることでしょう。しかしいま思い返すと、実査の場を再現するうえで大事なことはすべて速記者の技術にあったのではないかと思えます。

もちろんオフラインのグループインタビューにおいてICレコーダー(これもちょっと懐かしい物理的ガジェットになりつつある笑)で録音はしていても、実査の場に同席して参加者の発言をその場で処理していくスキルは偉大なものでした。

今回のレターでは、速記者のメモ技術にフォーカスをして、AIに指示を出す時の考え方や、分析者が担う役割について論じてみたいと思います。業務歴が長い方も、最近インタビュー業務を始めた方も、それぞれの視点でお楽しみください!

※なおグループインタビューにおける発言録作成の役割はモデレーター本人が担う場合も多いのですが、ここでは話をわかりやすくするため、速記者の人が入って作成している場合を想定して論旨を展開します。あらかじめご了承ください。

🔍リサーチハック 101(2026.01/01日号)「グループインタビューの速記者に学ぶ、AI時代も有効な発言録メモの作成スキル」

●①事実情報を端的にメモして文の認知負荷を下げる
●②名称や対象物を何と呼んでいるか正確に記録する
●③インタビュイーの思考回路を辿るように記録する
●④発話の順序関係を改行の位置でコントロールする

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